居酒屋の世界史
参考文献が多く、かなり凝った内容になってるなって感じた。
現在の居酒屋を考えると、お酒を飲んだり食事をする場所ってイメージしかないけど、昔の特にヨーロッパでは銀行、裁判所、売春宿、病院と多様性があったと。18世紀くらいまでは。
居酒屋が発展したのは16世紀でその時期に協会で飲酒することが禁止されて、農村に貨幣経済が浸透した結果居酒屋が増えたとのこと。
19世紀以降、科学技術でアルコールの保存ができるようになったり、フランスとかではフランス革命があったりして貴族が外食したりして、今のカフェのような仕組みができたりして、多様性が薄くなったりすることはあってもキャバレーとかがその時期に出現したのはなるほどなって思った。
個人的に興味深かったのは、米国でアルコールの大量生産で、依存症が問題になり、禁酒法を行った(労働効率を上げるためって見方もあるみたい)結果、マフィアの密売が増えたりして結局うまくいかなかった。
けど、その結果居酒屋以外の余暇の発展につながる効果もあったらしい。【野球観戦、映画館の普及。図書館、博物館、公園、運動場もつくられるようになった。】
居酒屋の持ってた、多機能性が棲み分けされるキッカケにもなったと。
何かが発展する時には、偶発的じゃなくてキッカケが必要で、その時の社会情勢とか時代っていうのも深く影響してるんだと強く思いました。
個人的にオセアニア、アフリカの歴史が載ってないのは残念だなって思ったけど、777円でヨーロッパ、アジア、イスラム圏の居酒屋の歴史から、その時の人にとって居酒屋がどういう所かっていうのがわかるから特した気分になりました。