科学嫌いが日本を滅ぼす―「ネイチャー」「サイエンス」に何を学ぶか

「ネイチャー」「サイエンス」という英米の2大科学雑誌を通して、日本の科学のあるべき姿を問う本。

第1部「ネイチャーVSサイエンス」第2部「科学誌の事件簿」第3部「日本の科学を考える」とよくまとまっていて文系の自分にも読みやすかった。


「資源がないから輸入して、技術力で加工して輸出するしか日本は栄えない」って確かに学生時代教わった。大学は文系に進んだ自分でも3・11以降は「科学」って言葉は食わず嫌いですまない感じで、科学系の本を読むことが以前より増えた。
ジョブズも「人文科学と自然科学の交差点って言葉が好きだ」って言ってたし、何となくでも自分の意見を持って、両方の視点を持てるようになることが大切だなって。

この本では「ネイチャー」「サイエンス」を通しての英米の科学の見方、雑誌間と科学者の競争【ネイチャー、サイエンスだけじゃない他の雑誌も。】が学べる。
寛容さのネイチャーと合理性のサイエンスって評はなるほどなって思いました。

個人的には、第2部が最近の話が多かったので見所あると思います。

あと、原発事故と科学誌の章を見て、3・11当時の自分を思い返すと「どの情報を判断するか全くわからない」状態になってましたが、twitterでフォローしてる理系の方は、とても早い段階の見解で「チェルノブイリ以下、スリーマイル以上の事故」って判断してたなって思い出しながらページをめくりました。

同じく、竹内薫さんの著書。学生時代に読んだけど、飛行機がなぜ飛ぶのか?実はよくわかってないっていうプロローグからグイグイ引き込まれます。